予防医療の検査には「健診」と「検診」という言葉があり、混同されやすいですが、それぞれ目的や内容が異なります。まず、健診は「健康診断」の略称で、主に総合的な病気の予防を目的としています。健康診断は定期的に受けることで、身体の異常を早期に発見し、病気の予防や早期治療につなげるものです。一般的な健診では、血液検査や尿検査、身長・体重の測定、そして血圧の確認などが行われます。これらの検査を通じて、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを把握することが可能です。
一方、「検診」は「検査・診察」の略称で、特定の病気を早期に発見するための検査を指します。検診は、特定の病気に焦点を当てて行われ、代表的なものに、乳がん検診や子宮頸がん検診、大腸がん検診などが挙げられます。検診は、特に早期発見が命を左右する病の進行を阻止するうえで重要です。早期に発見してすぐに治療を開始すれば重症化を防げるため、身体への影響を最小限に抑えることが可能となります。
健診と検診の違いをざっくり総括すると、健診は「全体的な健康状態の確認と病気の予防」、検診は「特定の病気の早期発見」を目的としています。どちらも健康維持には欠かせないものであり、両者を上手く使い分け、定期的に受けることが推奨されています。忙しい日常の中でも、時間を見つけて受診することが自身の命と健康を守ることにつながります。
「人生100年時代」「健康日本21」といったワードが使われるようになった今、予防医療はさらに必要性を増しています。もちろん、人々の健康を守る仕事の将来性も高まることが予想されます。特に日本は、3人に1人ががんで亡くなるといわれており、国は政策としてもがん予防に取り組んでいます。そこを踏まえると、特定のがんの検診に特化した検診スタッフの需要はさらに高まっていくでしょう。予防医療の推進に携わりたい方は、検診センターの職種・仕事内容を確かめてみても良いかもしれません。